秋成晩年に推敲されつつ当時は発行に至らなかった未完の読本。
初稿の『春雨草紙』から始まり、天理冊子本、富岡本・天理巻子本…などの
不完全なものが数種類残っている。これらは刊行目的でなく、破棄されるべき
草稿だったため、テキトーに扱われていたということだ。
ちなみに下記の目次は、一応完全原稿の姿をとっている文化五年本によるもの。
目次 | 内 容 |
血かたびら | 平城帝 vs 藤原仲成・薬子 (いわゆる薬子の変) |
天津をとめ | 良峰宗貞のお話。 |
海 賊 | 海賊 vs 紀貫之、三善清行 |
二世の縁 | 入定の定助のお話。 |
目ひとつの神 | 若者の不思議体験。 |
死首の咲顔 | 五蔵、宗、元助 と 五曾次 |
捨石丸 | 長者の子の敵討ち → 捨石丸 |
宮木が塚 | 宮木・十太兵衛・惣太夫の三角関係 |
歌のほまれ | 万葉集の歌について |
樊 ロ會 | 大蔵の生き様 |